《 和装の製本 》のページ
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和装本づくりで、和の世界を身近に!
当工房の「ほんやさん」で和装本をつくる
和装本の講習をされておられる柳川市のK先生から、わが工房の二つ折り機や紙折りローラーなどをご購入戴いたきっかけで、当工房も和装本の製本方法にとりくみました。画像は、2冊ともK先生が和装本の講座で、生徒さんたちに講習されながら、創作されたものです。 K先生の「みなさまへ」の推奨に共感しましたので、ご紹介します。※ 和本は「強さと軽さ」を兼備しています。この特性を可能にしているのは和紙のもつ特質にあります。また、手造りできる上に簡単に修復できるからです。 |
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この大正時代の和装本を視て感動しました。この本は、当工房が和装本にも関心を強めたということで、友人の医者のI さんが届けて下さったもの。I さんのお母さまはただ今丁度100歳。大正時代の学生時代に「裁縫」を習得されたときの教科書上下2冊。中身は、イラストなどカラー印刷の素晴らしい内容にも感銘。これで、和装本の製本方法について、わが工房独特の実践にとりくみました。これらの本は2冊で3圓との表示です。 |
先ずは、自作の俳句、短歌、誌、日記などを記録するために、画像のような和装本を創作しました。当工房の「ほんやさん」を使って、和装本の製本に挑戦したい方にお役に立てば幸い。 |
使う道具は、わが工房の「ほんやさん」です。【使ってみたら、作業が楽々】@ 紙束が初めから最後まで、固定されてずれない。A 穴あけ作業は、錐が正垂直で力がかけ易い。B 糸通しでは、紙束が正立だから、針が使い易い。A5判サイズの和装本を製本するので、「ほんやさん」A5版キットを使います。 |
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表紙と中身を用意します。中身は、A4サイズの紙を両面印刷して二つ折りにして袋とじにしても、A5サイズの紙を両面印刷しても結構です。罫線は、薄紺色の自作で、私の大好きな罫線です。必要な方には、メールの資料添付で送って差し上げます。 |
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「ほんやさん」の左右の下に、キットに添付の厚さ6mmと9oの敷板を重ねて準備。表紙と中身を揃えて、製本機に上から入れます。左右の三角スリットに指を入れて綺麗に揃え直しましょう。 |
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すると、紙束が15mm出てきます。画像は、判りやすいように、少し後ろに倒して撮影しています。 |
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下敷きの木柱を外して、製本機を横倒しにして、紙束の高さと同じになるように、板を2枚敷きます。画像は判りやすい様に、添付の板より大きい板を使っています。一番下の板は厚さ18mm、その上の板は目打ちの受け板で厚さは6mmで、紙束の位置にピッタシ水平となり、穴開けの目打ちが垂直にできます。 |
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錐で目打ちするために、4ヶ所穴をあけている幅15mmの板を、出ている紙束の背の上にピッタシ合わせます。穴に錐を差し込んで穴通しをします。錐のトップを金づちで打ち込んでも大丈夫です。これで、多数冊の和綴じ四ツ目綴じ製本が楽にできます。 |
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小型のハンドドリルを使うと、穴あけが楽々できます。ドリルは、1000〜2000円程度。ドリル刃は直径3mmを使っています。 |
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穴あけをして立てると、糸通しの穴がすっきり。判りやすいように、紙束は、手前を表紙側にしています。 |
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四ツ目綴じをする糸の長さは、およそ本の縦の長さの3倍半。ここでは、板の周りをぐるりと巻いて横長さ1周り半ほど。 |
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針の糸通しをして、反対の端をテープで固定。端から二つ目の穴からスタートするのが定番。どこから始めても良いが、一筆書きのように糸を通していきます。 |
四ツ目綴じの糸通しが完了。糸は、どの穴にも3回通過し、見える箇所はすべて1本。 |
スタートの個所で結んで製本完了。判りやすいように、敢えて、表表紙で結んでいます。 |
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世界で一冊の独自の本の完成です。結び目が判らないようにしたいなら、裏表紙からスタートします。ページの中ほどからスタートすると、外からは完璧に見えないようにできます。 |
糸の交点のa,b,c,d,A,B,C,Dの8点をよく視ると、糸はいずれも穴から4線が出ている。糸が90度に曲がる頂点は12ヶ所あり、この頂点からは2本の線が出ている。 これらの20点は、2または4線という偶数線がでているので、数学ではこれらの点を「偶点」と名付けている。右へ続く |
四ツ目綴じの糸通しは「一筆書き」理論和装本の代表的な「四ツ目綴じ」製本を数学的に考察してみる 。すなわち、四ツ目綴じの糸の完成図は、偶点だらけとそれらを繋ぐ線でできている。数学的に整理された一筆書きの法則は、@ 偶点だけの図形は、どこからスタート(始点)しても、同じ点(終点)に戻る。A 奇点が二つの図形は、ある奇点からスタートすると、別の奇点に終わる。B 奇点が三つ以上の図は、一筆書きはできない。よって、四ツ目綴じの糸通しは、@のように偶点だらけだから、どこから始めて良い。端から2番目の穴からとは限らない。柳川市のK先生のように、糸の結び目が全く見えないように、各穴の中間から開始しても可能であることが証明される。 |