《 上製本づくり 》のページ
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上製本の設計基礎を学び、手作り本の楽しさを!
立派な上製本作りの鍵は、
@ まず、欲張った豪華な本をイメージしましょう。
A 特に、表紙に大好きな紙や布生地を選びましょう。
B 失敗を恐れず、大胆に挑戦してみましょう。
当考房の「製本機キット」は、この三つの鍵を大切にして、大きな働きをします。
使用する製本機いろいろ手前から、A5判用、B5判用、A4判用 |
神奈川県のSさんの初版本 |
群馬県のKさんの創作本 |
ブナぶな考房方式…上製本の設計と製本。
図1 先ず、中味の本文のサイズを決めましょう。A5判を例にすると、a = 148 mm b = 210 mm。 本文の編集や印刷、製本の仕方は、「手作り製本術」のページをご覧ください。 準備する道具などは作業台紙 表紙よりも広く柔らかい紙。薄い方眼紙が理想的。 ボンドや糊 表紙の材質で選択。ボンドの代わりに両面接着テープ。 篦(ヘラ) 折り目をきっちり付けたり、縁や角の接着に使う。竹串かヒゴ 溝の部分を締め付ける時に使う。2本。製本キット 効率の良い製本ができます。 |
図2 準備した本文の厚さ d を測ります。本文の厚さは、見返し紙を含んで製本したものです。 例として、厚さ1cm すなわち d = 10 mm としておきましょう。 |
図3 表紙と芯になる厚紙を選びカットします。包装紙や千代紙、布、芯の厚紙など、お気に入りを準備します。下記の計算式に基づいてカットします。 糊付けの折り代を15mm、チリ(本文を守るために表紙を広くとる余白)を3mm、ミゾを6mmとして設計したもの。 横 x = 15+(a-3)+6+d+6+(a-3)+15 = 36+2a+d mm 縦 y = 15+(b+6)+15 = 36+b mm A5判の例 a = 148, b = 210, d = 10 を代入すると、表紙の横 x = 342mm, 縦 y = 246mm、芯の厚紙2枚の横 a-3 = 145mm、縦 b+6 = 216mm、背の芯の横 d = 10mm、縦 b+6 = 216mm |
図4 表紙の角4ヶ所を切り取っておきます。次の図のように、表紙を芯紙に貼り付けたとき、芯紙が見えないようにするためです。 |
図5 表紙を芯紙に貼り付けたときのイメージです。貼り付ける作業では、角や折り目はヘラを使ってきっちり擦り付けましょう。 |
図6 芯紙の位置を決め、表紙裏に貼り付けます。図3の設計に基づいて準備した、芯紙3枚を表紙裏に、寸法どおりに貼り付けます。表紙が紙ならば、糊か両面テープで貼り付ける。テープの場合は、周辺に貼る。 表紙が布ならば、手芸用ボンドか木工ボンドで貼り付けます。 |
図7 表紙裏の糊代を、芯紙に貼り付けます。芯紙の天に近いところに、長い定規か平たい棒を横に置いて安定させ、表紙の天の糊代に糊を塗り、定規を押さえながら、作業台紙の端を持って内側に包み込むように、芯紙に貼り付ける。そして、皺にならないように、まんべんなく擦り付ける。下の地の部分も同様に貼り付けます。 慣れてきますと、表紙の貼り付けたい部分の真下に定規を差し込んで、定規ごと立てていきながら包むように芯紙に貼り付けることもできます。作業台紙が不要になります。 |
図8 綺麗な表紙が仕上がりました。図8の2 花布を付けたいならば、花布(はなぎれ)とは? |
図9 本文の背に糊かボンドを塗ります。製本機に、本文の背が数ミリ程度出るように製本機に固定し、背に糊あるいはボンドを均等に塗ります。表紙との接着を強くしたいときは、小型鋸で5ミリ間隔くらいに傷を付け、その後さらにボンドを塗って傷に塗り込んでおきます。 |
図10 表紙を本文の背に貼り付けます。表紙の方が中身よりも6mmほど広いので、天地に3mm程度の余白(この部分をチリと言う)ができるように、天地対象に貼り付けます。 |
図11 見返しに糊を塗り、芯紙とドッキング。中味に糊が付かないように、見返し紙の下に不要な紙を敷いて、見返し紙に糊付し、芯紙をミゾの部分から、ゆっくりと丁寧に、押さえつけるように貼り付けます。次に、反対側にも同様に貼り付けます。 |
図12 表紙貼りが完成。ここまでが慎重でしたね。まだミゾの部分の接着が残っています。 |
図13 竹串でミゾを締め付け仕上げます。表紙のミゾに、竹串2本を当てて、製本機に挟み、蝶ネジを締めて圧縮しておきます。これで、開きやすい本ができると同時に、本の反りや曲りのクセが修正され、姿勢の良い本が完成します。 |
図14 世界でただ1冊、上製の創作本の誕生!。左綴じでも、右綴じでも、自在に創作できます。 ♪♪♪ |