《 基本の製本術 》のページ
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本作りの原理を大切に! 楽しく手作りを!
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一、基礎を大切に学び、応用自在の楽しさを!
このページの内容
1.使う製本機「ほんやさん」!
2、本文や表紙の編集と印刷
3、小物道具類の準備……身近な物の利用
4、紙揃えを丁寧に…本作りの要
5、本文の製本作業。
6、表紙の型作り
7、表紙の貼り付け…冊子完成
紙の長辺綴じ本、短辺綴じ本が製本できます。
《 短辺綴じの製本 》 pdf 短辺綴じの製本の仕方
A5判、文庫版用キット 2ヶ所締めA5判用 5200円、文庫判 B6判用 4800円 |
B5判 A4判、A3判キット 4ヶ所締めB5判用 6200円、A4判用 6700円、A3判用 8700円 |
A5判、文庫版の完成図 |
B5判 A4判、A3判の完成図 |
手作り製本の要は、紙揃えが命 |
さらに、揃え棒で上下左右ぴったし揃え |
二、冊子の本文と表紙の編集と印刷
手づくり製本をスムーズにするためには、まず、その前提となる編集の書式やプリンターの基本設定をしておくことが大切です。当「ブナぶな考房」で実践している方法を紹介します。
まず、紙について
現在、いろんな所で最も多く使われている紙は、A4判です。ですから、価格もA4判が一番安く手に入りやすい。PCもプリンタも初期設定はA4判にされています。一枚の紙に両面印刷して、二つ折りすれば、4頁の最も薄い冊子の誕生です。10枚を印刷すれば40頁の立派な冊子や本が完成します。
しかし、1枚0.5円程度のコピー用紙では、ゴシック体などで両面印刷すると、裏が抜けて汚くなります。電器店や文具店には、両面印刷用の紙が、250枚単位で400円未満で購入できます。当「ブナぶな考房」では、本の内容によって使い分けますが、概してシャープな印字ができる、「KYOKUTOU」の両面用印刷紙を使っています。他には、キャノン製やエプソン製、フジ画彩などですが、紙の白さやインクののり具合が微妙に違います。
自分の製本したいサイズに、その体裁や内容が上手く編集できて、綺麗な印刷ができれば、手作り製本が大変楽しくなります。
しかし、手作り製本機を使うまでの、編集や印刷に手こずったり、市中のコピー機を使ってコストが高くなったりして、ご苦労されている実態も多くみられます。
そこで、製本に至るまでの、編集と印刷の仕方を、当考房の経験をもとに纏めました。
ご参考にして頂ければ幸いです。次の赤字をクリックして下さい。
イ)最適な編集、印刷の仕方
《 横書き 論文や説明書、英文などに最適 》 pdf 横書き製本の編集と印刷方法
《 縦書き 自分史や詩集、句集などに最適 》 pdf 縦書き製本の編集と印刷方法
ロ)本文の紙サイズと同じ表紙の作り方
《 表紙の作り方@ コの字型表紙の作り方 》 pdf コの字型表紙の作り方
《 表紙の作り方A L型表紙の作り方 》 pdf L型表紙の作り方
ハ)短辺綴じの製本の仕方
《 短辺綴じの製本 》 pdf 短辺綴じの製本の仕方
三、小物道具類を準備……身近な物を利用しましょう。
まずは、小物道具の準備 (1)
左から、背を補強する補強紙、表紙と見返し紙を貼り合せる普通糊、表紙づくりに使う定規と千枚通し。
補強紙は、引きの強い和紙や障子紙、園芸用の寒冷紗、画用紙など、背の強さや柔軟さに合わせて使い分けます。
補強紙は、あまり開かない本や資料程度ならばコピー用紙で十分です。
小物道具の準備 (2)
写真中の左は、濡れティッシュと料理用のプラスティックピック。紙束の背にボンドを塗るピックを綺麗に拭いたり、ボンド容器のノズルをきれいに拭き取ります。
右は、文具店などで売っている手芸用ボンドです。先が細く、いろいろと使いまえがあります。空になったら、木工ボンドを入れて使い続けましょう。手芸用ボンドとピックを、キットに添付しています。ピックはよく吟味して、ボンドを平たく延ばせて、弾力性のある物を添付しています。
小物道具の準備 (3)…あれば便利
写真の左から、定規、小型のこ、ワイヤーブラシ、デイバイダー、など。これらは、背の接着を強めたい時や、表紙づくりに役立ちます。ディバイダーの代わりに、100円ショップのノギスが役立ちます。
四、紙束の丁寧な揃えと固定で、ベストな仕上がりを。
本文と見返し紙の揃え
本文の紙束を中にして、二つ折りした見返し紙で、両側に挟みます。二つ折りした見返し紙の山が、本文の背側となるようにします。
ここで一度きっちりと揃えてみます。少しでもハミ出している紙は、抜き取って再度調整します。
丁寧に揃え直し
上下と左右、きっちりと丁寧に揃えます。
手を離さずに、そのまま挿入します。
左手は上部(小口側)、右手は右端の真ん中あたりを持って、製本機へ挿入します。両手を離さないでも挿入できます。
左右の三角スリットに手を入れて、軽く揃えます。
左のスリットから右側の揃え棒に向かって、軽く押して揃えます。
これで、紙束が左右上下きちっと揃います。
蝶ネジを左右バランス良く締めつけて、紙束を固定します。
左右の蝶ネジを締める前に、両板を両手で挟んで、紙束を軽く圧縮してから、ネジをしっかり締め付けます。
ここまで立派にできれば、本作りの8割は進んだと思います。素晴らしい本づくりの要は、この紙束の揃え方とその固定が決め手であるからです。本が出来上がったときに、天地左右が綺麗で、カットの必要性はありませんし、頁が外れたりすることもなく、背が頑丈な本に仕上がるからです。
五、先ず、本文を冊子風に仕上げます。
そのまま持ち上げて半回転させ、元に正立
元に正立させて、ボンドとピックなどを準備します。
貼り付け小物を準備
手前は、本文の背幅よりも4cmほど広い寒冷紗、奥は手芸用ボンド、小ガラスボールに濡れティッシュとピックなど。
紙束の背にボンドを付着
部屋が乾燥しているときは、少し多めに付ける。湿度が高いときは、写真のように少なめにする
初心者の方は、ボンドを使い過ぎになり、周りを汚しがちになりますので、少な目に使うようにしましょう。
ピックでボンドを満遍なく塗り
背をしっかりさせたいときは、ボンドを付けた後に、小型鋸などで、5mm間隔くらいで傷目をつけておきます。ワイヤーブラシを使うときは、ボンドを塗る前に背を擦って傷をつけます。ボンドがしみ込んで強い接着になります。
補教紙(ここでは寒冷紗)を貼り付けます。
コピー用紙や画用紙、障子紙など、適当に使い分けます。、背を強くでき、本を立てたときにも安定します。
補強紙を使わず、ここで表紙だけを貼ることもできます。
満遍なく軽く押さえて接着させます。
また倒立させて、捨て紙一枚を下に敷いて放置
製本機と紙束の自重が背にかかり、背がすっきりと平らになって、ボンドが均等に接着します。また、敷いた紙に水分が吸収され、乾燥が速くなります。少なくとも2分以上は必要です。
六、表紙の型を作ります。
多数冊の製本の時は、表紙の裏側に中心枠も印刷しておきます。
多数冊を製本するときは、表紙の裏側の中心にも背幅の枠を印刷しておくと、多数の表紙が効率良くできます。線に沿って定規を当てて、千枚通しで軽く筋を付けて、曲げていくだけで、多数の表紙ができます。
本文の厚さを測ります。
数冊程度の製本では、ディバイダーで背の部分の厚さをとり、表紙づくりを始めます。
表紙の背の部分にしるしを付けます。
おもて表紙の背の上部にそのまま、ディバイダーでとった厚さを差し込んで、小さな穴を開けます。同様に、表紙の背の下部にもしるしを付けます。
裏に返して背づくりします。
、表紙を裏返すと、4か所の小さな穴ができています。上下の穴に定規を当てて、千枚通しでかるく直線の傷をつけます。
折り曲げ、表紙を完成します。
傷をつけた線に沿って折り曲げます。残りの二つの穴にも同様にして、折り曲げます。
七、表紙を貼り付け、冊子を完成させます。
本文を製本機から取り出します。
左が製本した本文。右が表紙。
表紙を下にして、本文を重ねます。
本文の上に、不要な紙を一枚重ねて、糊付けします。
背の端から2cm程度の幅をとって、不要な紙を背と平行して重ねた後、普通の糊を塗り、先ず寒冷紗を重ねて接着させ、さらにその上から糊をきれいに塗ります。一直線の糊付けで、仕上がりをきれいにするためです。
表紙を丁寧に重ねて撫でて、糊付けをしっかりさせます。
次は、小口側の糊付けです。
表紙の下に、不要な紙を一枚敷くとともに、表紙の小口(端)から2cm位の幅をとって、不要な紙を平行に被せます。
糊をきれいに塗ります。
上の不用紙をとって、見返し紙を背の方から丁寧に被せて貼り付けます。
反対側の表紙を開いて、同様に見返し紙と表紙を糊付けします。
表紙の表から、丁寧に圧縮します。
再び、製本機に挟んで、くせをとり整えます。
数分後に取り出して、本を軽く開いて、縦に立てて、ゆっくりと乾燥させます。
少しの皺は、乾燥するとなくなります。
独自な創作本の完成です。
本文が表紙より出すぎていたり、逆に表紙の方が大き過ぎたりすれば、別ページの「カッターによる裁断機」でカットします。カットの仕方もいろいろあります。初めに、紙束の揃え方が熟練すれば、カットしないで市販の本に負けないような、独創的な本が完成します。「製本術の応用」ページをご覧いただくと、手作り製本の楽しさが広がります。
表紙を寸足らずにしない方法
左の写真の3冊は、いずれも小口側をカットしないで製本した「コの字型背表紙による製本」の例です。本文と表紙を、同じサイズで編集し、そのまま印刷でき、仕上がりの体裁も良く、背が強くなりますので、ご参照下さい。